スペインの宇宙食
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そして、総てのゲイに於ける「故郷の料理」はどんな物なんでしょうか? それはボキューズのそれのように、懐かしく甘美な物だけでは済まないと思います。総てのゲイは「故郷」に対する郷愁と同時に、トラウマも平行して持っているだろうからです。(『展望レストラン・光峰』菊地成孔)
— 本と食べ物bot (@gohan_bo_n_to) July 26, 2013
を見て、面白そうなので購入。
エッセイ7:どこで何食べたの日記3。口語調なので読みやすい。
他人の、しかも名のあるアーティストの放蕩を読むと、ネオンカラーでキラキラ輝く、味のしない綿菓子を食べているような気分になる。
- 香水とポマードの匂いに涙の匂いが混じると、一瞬茹でた豚肉の匂いがする
- 天使でいることに一番大切なのは沈黙であり、微笑みは特に必要ない
- ブルーズの神は言った。「いずれみんな消える」
- あなたが「激しい頭痛」とか「漠然とした罪悪感」とか「消せない苦悩」とか「誰にも言えない恐怖」とか「憎むべき退屈」とか「ちょっとした憂鬱」とか呼んで区別している総てのものは、実はひとつだ。我々がそれを消す。我々とあなたが一緒にいる時間の中で。
- トラウマを後生大事に保存させて、醸成させてな、そんで長じて歪曲した復讐をするってのは、どうなのよ?
- みんな持ち回りだよ。メリー・ゴー・ラウンドと同じさ、俺が落ちてるときに誰かは最高にハッピーかもしれないし、俺がそこそこ良いね、なんつう時に、誰かがヤバくなってる
- 社会人の大人としては完全な出来損ないで、持て余した幼児性と攻撃性を痙攣的なギャグや誇大妄想とも言える作品等に炸裂させて何とか発狂や犯罪から免れている。
- 彼女は機嫌を損ねても、顔色一つ変えないで、心の中の認識をそっと確実に変えてしまう。
- 人間を素材として扱い、科学的と言って良い徹底した分析によっていくつかの料理法を算出し、それをリスク計算しながらひとつずつ具体化していく。というやり方
- 「可愛い」「美しい」という言葉をむしろ暴力として認知しなければならなくなった人生のダークサイドというもの
- 肌の色による人種差別と違い、外的には峻別できない差違による、いわば「自己申告によって能動的にキャッチした被差別」
- 気でも違ったような好景気がこの星に襲来し、水道の水に覚醒剤でも混じっていたような季節
- 熱狂は常に正直
- すべての音楽は病症の反映
- 正しいだの正直だのいう野蛮な迷信にかぶれないこと
- 「リスナーは自分の欲望を投影するだけ。愛なんて、全部妄想よ。"本当"なんて、そいつの欲望の投影にしか過ぎないわ」
- 和風に翻訳できるものは総てフォークであり、できないものは総てラテンではないか? ラテンは他殺のことばかり考え、フォークは自殺のことばかり考える。
- 強烈で分かり易い、つまりポップな勝利ばかりに人々がこれほど群がらなければならないほど、僕等は何に負け続けたのだろうか?
- 世界人類が銃を花にして島歌が平和でありますように。とかなんとかいう歌のやり口がどうにも苦手。アニミズムはいいけど、アニミズムを標榜する音楽が嫌だ。アニミズムを民族抑圧の解放という政治に利用することや、辺境の宗教のシリアスさを安直にアダプトしてチンケなナルシシズムと罪悪感の解消に利用すること
- 踊らない奴はハウスでだって踊らないし、踊る奴は潮風と共にだって踊る